住宅ローンの返済が遅れるとどうなるのか?
今回のコラムでは、『住宅ローンの返済が遅れる(以下、「延滞」という)とどうなる?』について、詳しくご説明いたします。
お家を購入したら、ほとんどの方が利用する住宅ローン。
住宅ローンは非常に長い期間の契約となり、うっかり返済を忘れてしまうことは誰にでも可能性があり、約10人に1人は経験があるといわれています。
返済が遅れてしまった場合、「ブラックリストに載ってしまうのではないか?」など、不安になる方も多いと思います。
住宅ローンの返済が遅れるとどうなる?
住宅ローンの返済が遅れると、
「自宅が競売にかけられた」
「任意売却されてしまい自宅を手放さないといけなくなった」
「ブラックリストにのってしまい、クレジットカードが作れなくなった」
という話を聞いたことがあるかもしれません。
延滞をしただけで、そんな大袈裟なことになるのか?
結論から言いますと、たった一度の延滞だけでは基本的に競売や任意売却、ブラックリストにのる事はありません。
しかし、延滞をしたことで何の問題もないというわけではなく、延滞をした履歴は、個人信用情報機関に一定期間残ってしまいます。
金融機関は車や教育ローンなどの借入申込に対する審査において、個人信用情報は必ず確認することになっています。
「住宅ローンの延滞履歴が多いことで、住宅以外のローンについて借入が出来なかった」ということは実際によくあることなので、延滞をしないに越したことはありません。
ブラックリストとは?
「ブラックリスト」という言葉を一度は聞かれたことがあると思います。
金融機関において、ブラックリストという名称のリストは実は存在しません。
個人信用情報のうち「事故情報」の部分を、俗にブラックリストと呼ぶことがあります。
事故情報とは、延滞履歴が多いことで「経済的に信用できない」と考えるような情報のことをいいます。
個人信用情報機関に事故情報が登録されてしまうと、新たな借入やクレジットカードの新規作成や更新、第三者の保証人になることが出来なくなります。
しかし、事故情報は一度登録されてしまうと永遠にそのままというわけではなく、条件をクリアし且つ一定期間が経過すると削減されます。
住宅ローンの返済が遅れる理由
住宅ローンの返済が遅れる理由は色々考えられます。
一般社団法人住宅ローン問題解決支援機構が行った「住宅ローンの支払い遅延に関する調査」によると、住宅ローンの支払いが遅れる原因の1位は「収入減」です。
内訳は、「残業規制等による収入減」「ボーナスの減少やカットによる収入減」となっています。
他に、「口座残高の不足など、うっかりミスによるもの」も多く発生しています。
返済が遅れたことに気付いた場合、まずは住宅ローンを借入している金融機関に連絡し、すぐに返済手続きを行いましょう。
期限の利益の喪失とは
期限の利益の喪失とは、期限の利益が失われることであり、つまり住宅ローン利用者が月々分割で返済する権利を失ってしまうことをいいます。
当初の契約通りに決められた日に決められた返済を行わないことが続くと、期限の利益を喪失し、金融機関からローンの一括返済を求められる恐れがあります。
何の前触れもなく突然期限の利益が喪失されるわけではなく、延滞が続くと催告書や金融機関からの督促電話がありますので、無視せずにすぐに対応しましょう。
いかがでしたか?
通常、住宅ローンの延滞は1~2回程度発生しても、すぐに金融機関に連絡して返済すれば大きな問題になることはありません。
しかし、あまりにも頻繁に繰り返すようだと、金融機関からの信頼を失い、住宅ローンの一括返済を求められる可能性もあります。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、本当に有り得ることですので、返済の管理はしっかりと行いましょう。